今回はエキゾチックアニマルの症例紹介です。
エキゾチックアニマルとはイヌ、ネコ以外の動物のことを言います。
当院ではエキゾチックアニマルの診察も得意としており、
ホ乳類ではウサギ、フェレット、ハムスターなどの
小型ホ乳類から
鳥類、爬虫類まで幅広く診察しています。
今回はそんななかでも珍しいグリーン・イグアナの症例を
紹介したいと思います。
症例は
グリーン・イグアナのメス、5歳齢、体重4.76 kg、全長 41 cm
食欲低下、腹囲膨満を主訴に来院されました。
既往歴として15ヶ月前に卵詰まりがありました。
初診時、レントゲンにて体腔内に軟部組織陰影の構造物を認めました。
卵吸収を疑い治療を行っていましたが、
症状の改善・悪化を繰り返したためCT検査を近隣病院で
行いました。
CT検査にて体腔内両側に境界不明瞭な腫瘤病変を認めました。
(以降、手術写真などが出てきます)
症状改善のため、開腹切除を試みました。
非常に巨大な腫瘤であるということが
隣の鉗子と比較することで分かります。
(鉗子は手のひら位の大きさです)
取り出した腫瘤です。
体重4.76 kg の体から左右合わせて、800 g 程の腫瘤が摘出されました。
術後は順調に回復してくれました。
術後4ヶ月の現在、元気にご飯を食べてくれています。
今回の腫瘤は卵巣由来の「三杯葉性奇形腫」という腫瘍でした。
従来、グリーン・イグアナには腫瘍性疾患は
少ないとされていました。
しかし、イグアナを飼う人が増えたことや、
病院にしっかりつれてきてくれること、
画像診断装置の発達、普及によって
「実は腫瘍性疾患も結構あるんじゃないのか??」
ということが言われ始めています。
獣医療は日進月歩です。
常に勉強し、技術を磨き
飼い主様、患者様の為により良い獣医療を
提供したいと思います。
獣医師 村端